日本の会社は、従業員が元気に安心して働けるよう、健康診断が法律で決められています。はたらく場所の環境やはた らく条件をよくするためにいろいろな取り組みをおこなっています。ここでは、会社で仕事をしているときに、病気やケ ガをしないためにどうすればいいか、仕事に関係して病気やケガをしたときにどうなるのか、労災保険のしくみなどを 説明します。
また、会社でやってはいけないと決められている「パワーハラスメント」や「セクシャルハラスメント」とはなにか、受け てしまったときの相談先について書いています。
• あなたが会社で元気に働き続けられるように行うものです。自分でも気が付かないような病気のはじまりがないか、血をとったりして調べます。病気のはじまりを早く見つければ、早く治療もはじめられ、日本での仕事をさいごまで元気に続けることができます。法律で決められているので、必ず受けましょう。
• 健康診断がうけられない時は、まずは会社に聞いてみましょう。会社にきいてもよくわからない場合は、監理団体や【相談先リスト】にある外国人技能実習機構(OTI)の母国語相談からベトナム語で相談しましょう。
*外国人技能実習機構(OTIT)
母国語相談センター(ベトナム語のページ)技能実習のこと、日本での生活など
• 健康診断で調べる項目は、法律で決まっています。自分でやりたい検査を追加することはできません。
• 20才より年上の女性なら、会社ではなく、住んでいる市町村で、子宮頸がんの検査を、2年に1回、受けられます。無料か、500円くらいのお金を払うだけです。子宮頸がんの検査をもっと知りたければ、V.セクシャル・リプロダクティブヘルスのコラムを読んでください。
• まず会社に相談しましょう。あなたが仕事に関係して病気やけがをしたときのために、会社は、「労働者災害補償保険(ろうさいほけん)」というものに入っているはずです。この仕組みをつかって、あなたが病院にかかるためのお金などが支払われますので、あなたはお金の心配をしなくてよいのです。会社を休むこともできます。重い病気やケガで働けなくなっても、すぐに会社をやめさせられることはありません。
• 仕事以外でケガや病気になったときも、仕事を休むことができます。会社によって休むことができる日数はちがいますので、会社に聞いてみましょう。その日数のあいだは、会社をやめさせられることはありません。
• 会社が、あなたを「健康保険」に入れていれば、治療のためのお金や、働けないあいだのお給料の一部を、一年半のあいだ、もらうことができます。労災保険・健康保険に入っているか雇用主に確認しましょう。会社にきいてもよくわからない場合は、監理団体や【相談先リスト】にある外国人技能実習機構(OTIT)の母国語相談からベトナム語で相談しましょう。
• 仕事に関係した病気やけがでそういうことになった場合は、IV-4.の「労災保険」で、治療にかかるお金を支払ってもらえます。また、障がいが残った場合にまとまったお金をもらえたり、亡くなった場合は遺族にお金が支払われたりします。
• 会社や監理団体が、あなたにかけている保険の種類によっては、そこからお金がもらえたり、亡くなった場合に遺族にお金が支払われたりします。会社や監理団体に確認してみましょう。
• 会社にきいてもよくわからない場合は、監理団体や【相談先リスト】にある外国人技能実習機構(OTIT)の母国語相談からベトナム語で相談しましょう。
• 会社の上司や、「衛生管理者」または「安全衛生推進者」などに相談しましょう。「衛生管理者」または「安全衛生推進者」は、はたらく環境をよくするために会社にいる人です。
• 相談しても変わらないときや、会社にきいてもよくわからないときは、監理団体や【相談先リスト】にある外国人技能実習機構(OTIT)の母国語相談からベトナム語で相談しましょう。また、日本語ができる信頼できる人におねがいして「労働基準監督署」*1に相談しましょう。
• *1労働基準監督署:従業員が元気に安心して働けるよう、企業がきちんと法律を守っているかを見張る役所です。下のQRコードから、住んでいる地域の労働基準監督署が調べられます。日本語がわかる人や周りの日本人に聞いてみましょう。
• 会社の相談窓口に相談しましょう。「パワハラ(パワーハラスメント)」かもしれません。「パワハラ」とは、あなたより立場が上の人が、仕事をする上で必要ないほど強く、あなたを言葉で責めたり、暴力をふるったりしてきて、あなたが仕事に行きたくなくなるくらい、こわい思いをさせることです。
• 会社でパワハラを受けた場合、いつ・どこで・誰から・どんな被害を受けたか・どう思ったのかをしっかりと書いておきましょう。言葉の暴力は、「言った・言わない」の争いになることが多いので、音声や動画を録音しておきましょう。暴言が書かれたメールや手紙は、しっかりとっておきましょう。身体的な暴力があった場合には、写真を撮ったり医師の診察を受け診断書をとったりします。
• 会社で相談しても変わらない場合は、監理団体や、【相談先リスト】にある外国人技能実習機構(OTIT)の母国語相談からベトナム語で相談しましょう。
• からだの暴力を受けたら、警察に相談することもできます。
• 都道府県労働局の外国人労働相談窓口に相談することもできます。
• 「 セクシャルハラスメント(セクハラ)」かもしれません。
• セクハラとは、男か女かに関係なく、あなたが嫌だと感じる性的なことを、言ってきたり、してきたりすることです。性的なことを言ってきたり、してきたりすることに対し「やめて」と言うと、今度は仕事で嫌がらせをしてくることもセクハラです。
• 会社で相談しても変わらない場合は、「都道府県労働局雇用環境・均等部(室)」に相談することもできます。
• あなた自身が、気づかずに「セクハラ」を誰かにしているかもしれません。気を付けましょう。
* 外国人技能実習機構(OTIT)
母国語相談センター(ベトナム語のページ)
技能実習のこと、日本での生活など
SNSによる性暴力の相談窓口
「CURE TIME(キュアタイム)」
ベトナム語対応日時:月・水・土曜日の17時~21時。
* 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター一覧
全国の性犯罪・性暴力に関する相談窓口の一覧です。
産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などとも連携して います。
• 労働組合は、たとえば、病気やけがをして、「仕事ができないのなら、会社をやめてもらう」と言われたときなど
に、会社と話し合ってくれます。そのほか、給料の支払いで問題があったり、やめさせられそうになったりしたときや、パワハラ、セクハラなどの相談にも対応してくれます。
• 労働組合には、どこの国の人でも、どんな宗教を信じていても、男でも女でも、そのほか何かが他の人と違っていても、誰でも入れます。
【ベトナム語で相談する】
★全統一労働組合
電話:03-3836-9061 (※電話は日本語になります)
FAX:03-3836-9077
email:zwu@nifty.com (FAXやemailはベトナム語に対応できます)
★UAゼンセン
労働相談(ベトナム語)
https://uazensen.jp/global/
技能実習生から日常的に相談を受け、問題解決に当たっている全国の個人・団体から構成されるネットワーク.
季節の変わり目に気をつけること
日本には「春」「夏」「秋」「冬」の4つの季節があります。
季節の分かれ目は、気温や湿度が急に上がったり下がったりして、体調を崩しやすくなるので注意してください。
日本の夏は、1年で最も暑い季節です。
6月~7月中旬は梅雨といわれる時期に入ります。梅雨になると雨が降りじめじめとした日が続き、晴れの日はあまりありません。梅雨が明けると気温が一気に高くなり、本格的な夏が訪れます。日本各地では夏祭りや花火大会が行われます。暑さが厳しいときはエアコンや扇風機などで室内温度を調整し、適宜水分補給をすることがとても大事です。
日本の秋は、過ごしやすい季節です。 イチョウやカエデの葉が赤や黄色に染まる紅葉が名物です。 ススキと団子を飾って月を鑑賞するお月見が行われます。
日本の冬は、寒くなる季節です。 1月~2月にかけて氷点下になる地域もあり、北海道や東北、日本海側の地域では雪が積もる日もあります。寒いときには靴下をはいたり、上着を着たり、服装を調整する必要があります。ヒーターなど使い室内温度を調整しましょう。 1年の初めの正月は冬にあり、おせち料理といわれる豪華な食事で新年を祝う姿が見られます。
季節の変わり目で体調不良になりやすいため、健康管理に気を配りながら、十分な睡眠を確保しましょう。
件のコメント
評価