日本ではたらく間に病気になってしまったらどうしたらよいのでしょう。ここでは、クリニック・病院の使い方や、健康保 険のしくみなどを、説明します。

技能実習生も日本のクリニックや病院に行って検査や治療を受けることができます。治療にはお金がかかりますが、日 本では、すべての人が健康保険に加入していて、治療にかかるお金の負担を減らす健康保険のしくみがあります。健康 保険があると、クリニック・病院で支払うお金は、かかったお金の30%だけになります。健康保険には、「会社の健康保 険」と「国民健康保険」の二つがあり、技能実習生はこのどちらかに加入します。クリニック•病院に行くときは、かなら ず健康保険証を持っていきましょう。

日本にはクリニックと病院があり、風邪をひいたとき、けがをしたとき、歯が痛むときなど、、症状によって診療科目が決ま ります。

また、薬局では薬を買うことができます。しかし、クリニックや病院で医師に処方箋を書いてもらわないと買えない薬が たくさんあります。

1.1. 病気になったら医療が受けられますか?

もちろん必要な医療を受けられます。
クリニック・病院へ行くときは ➡I受診の方法 をみてください。

1.2. 健康保険とはなんですか?

• 健康保険は、けがや病気になったときにかかる医療費をみんなで出し合うしくみです。
• 日本では、全員が何らかの健康保険に入ります。これは、外国人の方も加入します。
• 健康保険に入るには、健康なときでも、毎月、保険料を払わなくてはなりません。保険料は、あなたが稼ぐお金により異なります。
• 健康保険に入ると、あなたがクリニック・病院で支払うお金は、かかったお金の30%になります(70%ディスカウント)。
• あなたがクリニック・病院で支払う30%のお金は、「外国人研修総合保険」(通称:JITCO保険)など に監理団体が加入していれば、払ってもらえます。つまり、あなたが自分で払うお金がゼロになります。会社に確認してみましょう。
健康保険には「会社の健康保険」と個人で加入する「国民健康保険」の2つがあります。2つの違いを次で説明します。

1.3. 健康保険にはどのような種類がありますか?

「会社の健康保険」と、「国民健康保険」があります。労働者はこの2つのいずれかに入ります。

1.4. 誰が健康保険に入りますか?

Duyさんは、工場ではたらいているので会社の健康保険に入ります。

Anhさんは、個人の農家ではたらいているので国民健康保険に入ります。

会社の健康保険

健康保険に入ることができるかどうかは、会社に確認してください。

日本では、全員が何らかの健康保険に入ります

国民健康保険

国民健康保険の加入者は次のとおりです。
• 会社などの健康保険に入っていない人
• 75歳 より若い人ひと
• 3か月より長く日本にいる外国人
* 特定活動の医療滞在のための在留資格など特別な資格をもっている人は入ることができません。

1.5. どうやって健康保険に入りますか?

会社の健康保険

• 会社などで申し込みます。
• 毎月払う保険料は会社とあなたで半分ずつ払います。
• あなたの払う保険料は給料が支払われる前にひかれます。
* 会社を辞めると会社の健康保険証は使えません。
* 会社を辞めた場合でも、住民票があれば国民健康保険に入れます。

国民健康保険

• 自分が住んでいるまちの役所で申し込みます。
• 引っ越ししたり、仕事を始めたりしたら、役所に連絡します。
• 毎月払う保険料は家族の数や所得などで違います。
• 特別な理由があって保険料を安くしてほしいときは、役所に相談してください。

1.6. あなたが支払うお金は医療にかかったお金のどれくらい?

会社の健康保険

かかったお金の30%
• 子どもや高齢者は異なります。
• 法改正により変更となる場合があります。

国民健康保険

かかったお金の30%
• 子どもや高齢者は異なります。
• 法改正により変更となる場合があります。

1.7. 支払うお金がとても高いときに、安くなる方法はありますか?

はい、あります。

  1. あなたがクリニック・病院で支払うお金(30%)が一定の金額(自己負担限度額)を超えると、いったん支払ったあと3か月くらいで「高額療養費」(図のみどりのところ)が払い戻されます。戻ってくるお金は、その人の所得や年齢で違います。
  2. あなたがクリニック・病院で支払うお金(30%)がとても高いことが事前にわかっている場合は、はじめから自己負担限度額(図のオレンジのところ)だけを支払う方法があります。クリニック・病院の窓口に「限度額適用認定証」を出すことで、図のみどり色のところを減らせます。限度額適用認定証は、会社の健康保険を持っている人は会社に、国民健康保険の人は住んでいる役所に、欲しいと言ってください。

手続きは、ひとりでは難しいので、病院のソーシャルワーカーなどに相談しましょう。また、近くにいる日本人やベトナム人に相談してみましょう。 重い病気が見つかったとき、手術、入院が必要なとき
【相談先リスト】にある窓口からベトナム語で相談できます。

1.8. お金は分割して支払えますか?

基本的にできません。できる場合(現金が少ししかないとき、一部だけを支払って、後日残金を支払うなど)があるので、クリニック・病院の支払いの時に聞いてみましょう。

1.9. 病気になった時、どこに行ったらよいですか?

風邪をひいたりお腹をこわしたりなど軽い症状の時は、近くのクリニックに行ってください。重い症状や大きなけがの時は、病院に行ってください。

近くのクリニック

病院

かぜやおなかが痛いなど、軽い症状

病院、診療所

紹介状

重い病気が見つかったとき、手術、入院が必要なとき

重い病気や症状、大けが

大きな病院(総合病院)

クリニックと病院は何が違うのですか?

病院:入院のためのベッドが20床以上

クリニック:入院のためのベッドが19床以下

入院のためのベッドが200以上ある大きな病院に行くときに、「紹介状」を持たないで行くと、医療費以外に1000円~8000円くらいのお金がかかります。

受診の方法

日本では、だれでもどこのクリニック・病院でも受診することができます。

  1. 症状を確認します。
  2. 症状にあった診療科目のある近くのクリニック・病院を探します。
    • 特定の診療科目しないクリニック・病院があります(眼科(目の病気)、耳鼻科(耳や鼻の病気)、歯科(歯の病気)、整形外科(けが)など)
    • 入院のためのベッドが200以上ある大きな病院に行くときは、「紹介状」があったほうがよいです。
    • 「紹介状」を持たないで大きな病院に行くと、医療費以外に1000円~8000円くらいのお金がかかります。
    • 「紹介状」が必要な時は、クリニックでもらうことができます。
  3. 健康保険証、現金(1万円くらい)、あれば飲んでいる薬をもってクリニック・病院に行きます。
  4. 受付で症状を伝えます。「健康保険証をみせてください」といわれますので、みせます。
    • 身分証明書(在留カード等かパスポート)を見せてくださいと言われることがあります。
  5. 順番が来たら呼ばれますので、診察を受けます。
    • 予約できるクリニックや病院もあります。予約をするとクリニック・病院での待ち時間が少なくなります。
    • 受診後は請求書や診断書などは捨てずに保管しておきましょう。次の受診時に必要です。

1.10. クリニック・病院に行くときは何が必要ですか?

必ずもって行くもの:健康保険証、お金(現金)
あればもって行くもの:今まで飲んでいた薬、過去の検査結果、診断書など
• 身分を証明するもの(在留カード等やパスポート)を見せる必要があることも多いので、もって行きましょう。
• 健康保険証をもって行かなかったり、健康保険に加入していなかったりすると、全額を支払うことになります。

1.11. 何科にいけばいいですか?

病気やけがによって診療科目がきまります。

もっとくわしく調べる!

具合が悪くなった時はこうしよう! 3つのステップ!!
具合が悪くなった時は、症状がひどくなる前に近くのクリニック・病院で診察を受けましょう。

ステップ1

とにかく身近な人に相談、ひとりで悩まない!

まず、近くのベトナム人や雇用主に、クリニック・病院に行くことについて相談しましょう。

ステップ 2

ベトナム語で電話!

STEP1が難しいときは、クリニック・病院の案内ができる相談先を見つけて電話しましょう。

ステップ 3

とにかく近くのクリニック・病院を受診してみよう!

スマホで(Googleマップなど)近くのクリニック・病院を探しましょう。勇気を出して行ってみると一番よい受診先を教えてくれるでしょう。

1.12. 日本語がうまく話せないので、クリニック・病院にいくとき に言葉の不安があります。

  1. 日本語が少しわかるときは、「もっと簡単な日本語でゆっくりお願いします」と言ってください。
  2. 医療通訳を手配してくれるかどうか、お金がかかるかなど病院に行く前に聞いてみてください。大きな病院にはベトナム語を話す「医療通訳」がいます。しかし、そのような病院はまだ少なく、多くの場合、お願いするにはお金がかかります。
  3. 国際交流協会や外国人相談センター、NPOなどが、電話で通訳してくれたり、クリニック・病院に同行してくれることがあります。

【相談先リスト 】
相談先リスト】 にある窓口からベトナム語で相談できます

1.13. 病気で仕事を休みたい時はどうしたらよいでしょうか?

  1. 会社のひとに連絡してください。
    • 受診や休養などのために仕事を休むことができます。有給休暇をとることははたらく人の権利です。
    • はたらく人が病気になった時、一定期間仕事を休ませることは会社の責任です。これを病気休暇といいます。病気休暇をとるには診断書などが必要ですので会社の人に相談してください。
    • 連絡をせずに休むと「無断欠勤」となり、働き続けることが難しくなる場合があります。病気で仕事を休む時は会社のひとに正直に話してください。
  2. クリニック・病院に行きます ➡I-8「受診の方法」」
  3. 病気で仕事を休んだことの証明として、クリニック・病院から「診断書」や「証明書」という書類をもらう必要がある場合があります。
    • 書類をもらう場合には3,000円から5.000円くらいかかります。

1.14. 薬はどこで買えますか?

薬は薬局で買えます。医師が診察してから必要な薬を処方する場合は、その処方せんを薬局にもって行くと薬を買うことができます。

1.15. どの薬を買えばいいかわかりません。

薬局の中には、薬剤師という薬の専門家がいます。必要な薬を買えるかどうかやどんな薬を買ったらいいのか、薬の飲み方や病院の受診方法を教えてくれるので、分からないことがあたら、薬剤師にきいてみましょう。

1ヶ月以上の薬を日本に持ちこんだり、ベトナムから送ってもらうときは、手続き(輸入確認証)が必要です。また、自分で持ちこんだ薬を、友人や知人に売ったりあげたり、買ったりもらったりすることは、日本の法律でみとめられません。絶対にやめましょう。

1.16. 技能実習生の場合、黙って仕事をやめたら(失踪)、病気になった時どうなってしまうの でしょうか?

健康保険に入る資格がなくなってしまうので、日本で病院に行った場合に費用を全て自分で負担することになってしまい、とてもお金がかかります。
• 失踪中でも病気のときに受診したり薬をもらったりすることはあなたの命を守る大切な行動です。
• 失踪しなければならない事情がある場合や仕事をやめてから病気になったときは、支援団体に相談しましょう。
• 健康保険がない状態で病気になった場合に、自分で払う金額を少なくしてくれる病院もあります。しかし、そのような病院は少なく、手続きも複雑なため、支援団体に相談しましょう。
• この場合の手続きはとてもむずかしいため、【相談先リスト】にある窓口からベトナム語で相談しましょう。

【相談先リスト】

日越ともいき支援会 ホームページ(日本語)QRコードのFACEBOOKからMESSENGERで相談

(最初は日本語ですがベトナム語も通じます).